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長い目でみて技術開発への情熱をそぐ結果に

2011.10.21

制度は建前どおりに運用すると優良業者への集中発注となる。しかしこれでは大多数の業者はたまらない。そこから、いわば便法として、分割発注や共同企業体、いわゆるジョイントベンチャー(TJV)方式が六六年から採用されている。この結果、工事規模が一層小型化し、一社単独受注が効率的なことがだれの目にも明らかな工事まで複数社に発注、現場事務所を複数持つなどの非効率なケースが出ている。ペーパージョイントなどもある。

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本来、大規模工事のスムーズな施工、中小業者の施工能力向上や技術移転がねらいだったのが、経済性の低下、受注権のやみ商品化、談合の横行といった結果に結びついている。また、公共工事では、業者側の技術開発、新工法の工夫などが正当に評価されにくいのも問題点のひとつである。慣行上、発注者があらかじめ設計、仕様を詳細に決め、工事の施工部分のみを入札にかける仕組みになっているためだ。その場合、入札価格の乱高下を防止するため、発注者側は発注価格の最低価格制、コストの積算制をとっている。このため業者の努力で低コスト技術が開発されても、積算制に吸収されて業者は利益を受けられず、長い目でみて技術開発への情熱をそぐ結果となる。こうした公共工事の発注システムは、明治以来の官尊民卑、業者”人入れ業視”の伝統に根ざしており、一朝一タには改善は無理かもしれない。しかし、民間工事では大半がすでに随意契約となっているし、新分野では内外無差別の一般競争入札も行われている。これだけ国際化、情報化が進み、民間業者が力をつけてきた実態をみれば、時代遅れになりつつあるとの批判を免れない。日米経済摩擦にからみ、米国企業の関西国際空港建設工事への参加要請が強まるにつれ、改めて公共工事の発注方式のあり方が問い直されている。